Formal Fabrics / フォーマル生地

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Semi Formal Suit Fabrics / 略礼服生地Formal Fabrics / フォーマル生地

日本国内の場合、一般的にフォーマルスーツというと日本独特の装いである冠婚葬祭用の略礼服が思い浮かぶのではないでしょうか。この略礼服は第二次世界大戦後にある既製服メーカーが、黒のダブルブレストのスーツを冠婚葬祭用のスーツとして売り出したところ爆発的に広まり定着したもの。本来のフォーマルの意味するところのモーニングコートやタキシードと区別するために、セミフォーマルスーツ、略礼服と呼ばれることもありますが、日本独自の装いの文化としてすっかり定着しています。近年はダブルブレストよりもシングルの上衣の組み合わせが多くなり、また結婚式などのお祝い事にはあまり着用されなくなってきていますが、それでもなお控えめな装いが求められる場には最適なスーツであるといえます。

そのような略礼服に用いる生地には、スーパーブラック加工、または濃色仕上げなど、黒の色がより深く見える仕上げが施された生地が好まれます。こうした、より深い黒の色が求められるのは日本のみであるため、一般的な輸入生地は日本の生地と比較すると同じ黒ではあっても、少しグレーがかった黒に見えます。しかし、ここ数年でイタリアのゼニアやチェルッティが日本のメーカーとの技術協力を行ったり、イタリアで織り上げた生地に日本で濃色加工を行ったりと、しなやかな輸入生地でも深い黒の色を楽しめるようになりました。

もちろん略式の礼服であるため厳密な色味の定義はなく、一般的な黒無地の生地を用いて略礼服と普段使いのスーツを兼用にするのも良いと思います。色味だけでなく、夏物やオールシーズン的な厚みのもの、伝統的な重厚感のあるヘビーウェイトの生地など、生地の特徴も様々です。用途なども考慮に入れつつ、実際に色味の違いを確認し、どういった生地を仕立てに用いるか決めるのがお薦めです。

  • チェルッティとゼニアのスーパーブラック
  • しっかりとした織りのミユキ「M300」
  • カノニコのタッサーは兼用のブラックスーツにも最適
  • 濃色加工の日本製生地と、イタリア製の通常の黒色の生地ではこれほどの色の差が

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